しんちゃんの碁 ~ Y1師匠の謎の行動と、人生の決断
Y1師匠のところに通い出したのが、小学1年生くらいで、
私が小学4年生くらいになった頃に、何故かY1師匠が毎日のように母のところに
来るようになりました。
Y1師匠のお宅までは、子供の自転車で30分くらいはかかっていたと思うのですが、
Y1師匠は犬を連れて散歩がてらに来ていたのですが、子供ながら「妙だな・・・」
とは思っていました。
母とY1師匠が話をしている間は、私は弟と缶蹴りとか鬼ごっことかをしており、
Y1師匠はそっちのけでした。
ある晩、母から、「実はY1師匠から、お前にプロになる勉強をさせたい、
とずっと説得されていたんだよ。どうする?」といきなり言われました。
「あのー、私、小学4年生なんだけど、ここで人生を決めなくちゃいけないの?」
と思いました。
前にも書きましたが、同時期には格上のライバルである、
三村さんや森田さんが居ましたし、彼らには到底勝てるとは思えませんでした。
彼らは田岡敬一という人物に、プロ入りがほぼ前提で修行させられていたのと、
彼らは毎朝5時に起きて、碁盤を清めて瞑想をすることを日課にするくらい、
本気で囲碁に取り組んでいたのに対して、私は毎回書いているように週に1回しか
勉強していないので碁に対する思い入れが全然違っていました。
私は小学4年生で人生の選択を迫られましたが、三村さんや森田さんと比べてしまうと、
やはり全く自信がなく、プロの修行をすることを断念することにしました。
この決断が良かったのかどうかは、未だに解かりません。